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2017年2月22日 (水)

Vol.20 草間さんの個展「わが永遠の魂」プレス内覧会に行ってきました

今日、2017年2月22日から5月22日まで、乃木坂にある国立新美術館で、前衛芸術家、草間彌生さんの個展「草間彌生 わが永遠の魂」が開催されています。

初日の前日、つまり昨日になりますが、メディア向けの内覧会が開催されたので、行ってきました。今回はその時の様子をレポートします。

草間さんといえば、BBCが「存命中のもっとも重要な芸術家」と言ったほどの人です。これは、国籍性別を問わず、アートの世界における最重要人物という意味です。

ここ数年草間さんは、ヨーロッパ各地で大規模な個展を開催してきました。美術館側によると、今回の個展の規模はそれらに勝る史上空前のものとのことです。そんなこともあってか、内覧会当日は、膨大な数のプレス関係者が集まりました。

ざっと500人くらいはいたでしょうか。もう、展覧会始まったの?と思えてしまうくらい、会場内は人で溢れていました。



展示の内容も圧巻でした。展示されている作品は全部で230点。二部構成になっていて、一部は連作絵画「わが永遠の魂」シリーズ130点を中心とした21世紀に制作された作品群。

草間さんは、2009年から「わが永遠の魂」というシリーズ名で写真にもある巨大な絵画を描き続けています。すでに500点は描いた、というのだから驚きです。87歳の今も、3日に1点のペースで描いているのだとか。


二部は草間さんの20世紀の作品群で構成されています。1957年から1973年まで草間さんは、アメリカ、主にニューヨークを拠点に活動していました。

この時代はポップアートやミニマリズムが最先端のアートとして注目を集めまていました。会場では、当時の草間さんの作品、ミニマリズムの代表作「無限の網」やポップアートに多大な影響を与えたソフト・スカルプチャアなどを観ることができます。


有名なアンディ・ウォーホルがパクったのではないかとも言われている、作品「集合 100艘のボート・ショー」も再現されています。ぼくも最近知ったのですが、この作品、数年遅れて発表されたウォーホルの「牛の壁紙」にとてもよく似ています。

草間さんの「集合 100艘のボート・ショー」は展示室の天井、床、壁をボートの壁紙で覆い、中央にボートのオブジェを設置して、ギャラリーの空間すべてを作品にしたようなものです。

数年前BBCがこの作品を国際ニュースで紹介していました。その番組の中で、イギリス人の美術ファンが「この作品、何かに似ている。ウォーホルに似ている」と感想を述べると、レポーターが「実はクサマの方がウォーホルより先だったんですよ」と言い、美術ファンが「へー、知らなかった」と驚くというシーンがありました。

アメリカにいる時代から、草間さんは、日本人で女性というハンデ?がありながら、西洋人の著名なアーティストと互角かそれ以上の作品を発表し続けてきました。そのことが、今回の展示を観るとよくわかります。

にもかかわらずアメリカ時代の草間さんは、ウォーホルのようなスター的存在にはなれませんでした。草間さんが海外から再評価されたのは、20世紀の終わりごろなのです。

日本に帰ってきてからは、精神科の開放病棟で暮らしながらも、一向に創作意欲は衰えることもなく、後に草間さんの代名詞になった有名なカボチャのシリーズをはじめ、次々と新作を発表してきました。

この日は、内覧会終了間際に、15分間だけ草間彌生さん本人が登場しました。車椅子に乗った草間さんの姿が見えると会場から自然と拍手が湧き上がり、一部の人たちは草間さんとハイタッチをしていました。

この人たちはファンなのか記者なのか?とも思いましたが、草間さんのこれまでの活動が、彼女の存在を、ある種アイドル的なもの、あるいは生ける伝説のような有難いものにしているのだなと思いました。

今回の展覧会は、特にアートに興味がなくても、人間ってこんなにもパワーを秘めているものなのだと感動せずにいられない、見て損はないものだと思います。

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文・桑原和久
(フリーライター、編集者、茅ヶ崎方式渋谷松涛校生徒)

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