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2016年11月16日 (水)

「トランプは嫌い」テレビの誤訳は故意なのか過失なのか?

アメリカの大統領選挙、予想に反し、トランプ氏が選出されて、大変な話題になってますね。

同時に話題になったのが、この写真、レデー・ガガさんが選挙後に掲げたプラカードに書いてある英文を、日本テレビがテロップで誤訳した件です。

Love trumps hate.

日本語のテロップでは
「トランプは嫌い」

最初に、この方がツイッターで指摘して、その後で散々ソーシャルメディアで流布しているので、ご存知の方も多いと思います。

念のために、文章でtrumpは他動詞として使用されているので、正しくは、「愛は憎しみに勝る」ですね。

ソーシャルメディアでは、「テレビを作ってるやつの語学力はこの程度」という話になってるようですが、ぼくは、もっとひねくれた見方をしてしまいます。

担当者は当初正しい訳をつけたのに、上司が「こんなのは(視聴者から見て)面白くない。もっと(頭の悪い視聴者でも理解できる)分かりやすいものにしろ」と言ったんじゃないか?とかね。





この投稿をFacebookで見た時にぼくが思い出したのは、イラク戦争時のテレ朝「ニュースステーション」の誤訳です。


2003年3月、アメリカのブッシュ政権が有志連合とイラクに侵攻。4月9日にバグダッドは陥落し、フセインの銅像が「市民の手」によって引き倒されます。

この映像は世界中のテレビで放映されました。

記者会見で、フセイン像が引き倒された様子を見たアメリカ軍のポークスマンに対し、記者が「彼ら(イラク市民)はアメリカを愛していると思いますか」と質問します。

それに対し、アメリカ軍のスポークスマンは「いいえ、彼らは自由を愛しているのです」と答えたんですね。

このやりとりは世界中のテレビが中継していました。BBCの日本語放送もNHKも上記のようなやりとりを翻訳して報道していました。

ところが、テレビ朝日のニュースステーションだけが、上記のやりとりは報道したのですが、他の局とはまったく内容が異なる字幕を流しました。

記者の「彼らはアメリカを愛していると思いますか」と答えとして、アメリカ軍の担当者が「はい愛してる」と答えたことになっていたのです。

同時は今のようにソーシャルメディアも普及していなかったので、この誤訳は話題になりませんでした。

ぼくは、複数のチャンネルを見たので、テレビ局によって、同じ会見に異なる内容の字幕がつくことに強い違和感を覚えました。

ちなみに、ニュースステーションは、ずっとイラク戦争を行うブッシュ政権に非難的でしたが、あの字幕は意図的なものなのか、単なる誤訳なのかいまだに分かりません。意図的だとしたらかなり悪質だなと思っています。

なおこの時の動画をyoutubeで探したのですが発見できませんでした。どなたか見つけていただければと思います。

テレビではこういうことがしょっちゅう起きているのだと思います。

レディー・ガガさんのケースも、英語だから短文だから気づいたのであって、ネイティヴの長文の会話とか、英語以外の言葉だとおてあげです。

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文・桑原和久
(フリーライター、編集者、茅ヶ崎方式渋谷松涛校生徒)

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