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2016年10月13日 (木)

日本一裁判をしない 弁護士の交渉術って?

弁護士、三谷淳さんに初めてお会いしたのは一昨年のことです。彼はその時、自分のことを「日本一裁判をしない弁護士」だと言っていました。

最初は、なにそれ?と思いました。

弁護士って、裁判で勝つのが仕事なのでは?と…。

でも三谷さんはこう説明してくれました。

「裁判で負けるのは三流、勝つのは二流、裁判をせずに解決するのが一流なんです」

裁判になると、たとえ勝訴して損害賠償を得ることができたとしても、依頼人は訴訟を維持するための費用を負担しなければなりませんし、時間もかかります。依頼人にとっては、精神的にもタフな日々が続くことになります。

本当にクライアントのためを思うなら、裁判に至る前の段階で、クライアントと対立する側の人と交渉を行い、話し合いによって、クライアントに有利な結論を導き出す。これが、真の一流だということのようです。

うん、なるほど、と思いました。

三谷さんは、司法試験を最年少で突破した、秀才です。弁護士になったばかりのころは、裁判に勝つことに執着していたけど、時間が経過するにつれ、クライアントの利益を最優先するなら、できるだけ裁判をしない弁護士になるべきだと思ったそうです。

そんな三谷さんが、最近、初の著作を発表しました。「本当に賢い人の丸くおさめる交渉術」。これがタイトルです。オビには、”頭がいい人はケンカしない”。と書いてあります。

早速、購入して読んでみました。

実際に読んでみると、弁護士の交渉術というよりも、どんな仕事をしてても応用できる交渉のハウツーが満載されている、そんな内容でした。三谷さんは、本の中で、親子や夫婦間の交渉(ふつうなら単なる会話としか認識されないことです)にまで言及しています。

普段は意識していなくても、実は人生は交渉の連続なので、交渉を丸くおさめる術を身につければ、周囲の人が笑顔になり、毎日が楽しくなる。交渉はケンカではなく、当事者皆がハッピーになるための着地点を探す作業であるということのようです。

弁護士が書いた交渉術の本と聞いて、最初はディベートで相手を打ち負かすためのハウツーのようなものが学べるのかしら、と予想していたところがあったので、少し意外な感じがしましたが、読んでみてとてもためになりました。

本の中では、明日からでもすぐに活かせる、交渉のハウツーがたくさん紹介されています。

スピード決着を図る、長期的利益を最優先にする、相手の話はすべて聞く、最初の条件提示は相手から、将来のことだけを話す、などなど…。

普段は弁護士さんのお世話になることがないぼくにとっても、とても為になる内容でしたが、実は、読み進むうちに少し落ち込んでしまいました。

なぜって。

自分がいままで行ってきた交渉のスタイルが、ことごとく本に書いてあることと反対だったと気づき、愕然としたのです。

間を持たそうとして相手の話をしっかり聞かず、しゃべりまくってしまう。自分に自信がなくて、焦ってこちらから条件提示してしまう。しかも、自分を安売りしてしまう。

そんな過去の自分を省みて、 恥ずかしくもなりました。

あーぁ。

と思いましたが、運良くこの本に出会えたので、これからはもう少しましな交渉ができるように頑張りたいと思います。



(写真)三谷淳「本当に賢い人の丸くおさめる交渉術」(すばる舎)

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文・桑原和久
(フリーライター、編集者、茅ヶ崎方式渋谷松涛校生徒)

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