« 2016年9月 | トップページ | 2016年11月 »

2016年10月

2016年10月27日 (木)

フランスで日本の伝統文化 紙芝居愛好家が増えている

街頭で、おじさんが子供たちに紙芝居を見せている様子を、実際に目にしたことがあるという人は、少ないのではないでしょうか。

ぼくも実物は見たことがありません。テレビを通じて得た知識でイメージする紙芝居は、昭和の風物詩といった印象でしょうか。

ところがこの紙芝居、なんと今フランスで愛好家が増えているというのです。

ぼくにそのことを教えてくれたのは、フランスで、自作の紙芝居を現地の子どもたちの前でフランス語で上演する活動をしている、紙芝居アーティスト、築野友衣子さんです。

紙芝居そのものは日本固有の伝統文化で、こんにち私たちが紙芝居と呼ぶスタイルの芸能は、1930年代に日本で誕生したようです。

その紙芝居が、なぜいまフランスで人気なのでしょう。

築野さんによると、フランスでは、紙芝居はKamishibai という日本語で普及していて、小学校の先生のほとんどが、この言葉を知っているといいます。一般の人でも、10人にひとりくらいは、Kamishibai を知っているそうです。

築野さんは、すでにフランス各地で100回くらい、自作の紙芝居を上演しているといいます。



ユーモアや笑い、ポエジーには国境はありません。デジタルな世の中だからこそ、アナログな紙芝居が新鮮なのではないですか、と築野さんは語ります。

でも、なぜ特にフランスなのでしょうか?

すでにフランスには紙芝居作家さん、演者さん、紙芝居の作り方や演じ方を教える教室の先生などもいて、もちろん彼らはみなフランス人で、フランス語でやっているというのだから、日本人が想像する以上の浸透ぶりですね。


その理由について築野さんはこう分析します。

日本の団体、紙芝居文化の会が、2012年にフランスのユネスコホールで公演会を行うなど、紙芝居の、海外での普及に尽力してきた成果ではないか。

フランスにはマリオネットという移動式の人形劇の伝統もあり、街頭で何かを演ずる文化も根付いているので、紙芝居が受け入れられやすかったのではないか、と。

これから、フランスで日本の紙芝居文化がどんなふうに花開いていくか、興味深いですね。

築野さんの活動を詳しく知りたい方は、
http://yuikotsuno.com





♪日本とフランスで活躍する紙芝居アーティストの築野友衣子さん。

---------
文・桑原和久
(フリーライター、編集者、茅ヶ崎方式渋谷松涛校生徒)

2016年10月19日 (水)

渋谷109側から東横線のホームに向かう最短コース

東京渋谷駅はいま大手術中。つまり、駅周辺で大規模再開発が進行していて、そのおかげで導線がとても分かりにくくなっています。

中でも、かつては山手線と並行していた東横線のホームが、明治通を隔てて建つヒカリエというビルの地下に移動してからというもの、東横線のホームに辿りつくのが一苦労。

工事現場の中を、東横線という表示の矢印を頼りにヒカリエ方面に進み、やっとの思いで東横線のホームに辿り着いたころには、もうヘトヘトという経験をされた方も多いはず。

渋谷の繁華街は、駅を隔ててヒカリエと逆の方向、つまりハチ公口の側=109側に広がっています。

ハチ公口側にある道玄坂や神泉で友人と食事をして、帰宅するために、東横線のある渋谷駅の反対側に向かわなければならない、そこで上記のような経験をして疲れ果てるケースが続出しているようです。

そこで今回は、渋谷駅のハチ公側エリアから東横線のホームに辿りつく、楽ちんで簡単な方法をお教えしましょう。

ポイント1、地上の矢印表示は無視する。

ポイント2、とっとと地下に入り東横線ではなく、半蔵門線のホームを目指す。

えっ、と思われる方もいるかも知れませんが、ほんとにこれが最短なんです。

地下にもぐる時に使う入口は、109の脇の入口でも、スクランブル交差点の周囲の入口でも、どこでも構いません。とにかく地下に入ることが大切です。

地下に移動すれば、信号待ちで時間を無駄にすることもありません。これだけでも、かなりの時間短縮になります。


半蔵門線のホームにある,東横線ホームの方向を示すサイン

地下道に入ったら、東横線ホームへの道順を示す矢印はすべて無視してください。この矢印に沿って歩くと、曲がり角が多い長い道のりを進むことになります。

代わりに半蔵門線の方向を示す矢印に沿って進み、半蔵門線の改札口の中から駅に入ってしまいましょう。半蔵門線は渋谷駅のほぼ中心部にありますから、割と簡単に到達します。


えっ、乗りたいのは東横線なんだけど、って?分かってますよ。

続きを読む "渋谷109側から東横線のホームに向かう最短コース" »

2016年10月13日 (木)

日本一裁判をしない 弁護士の交渉術って?

弁護士、三谷淳さんに初めてお会いしたのは一昨年のことです。彼はその時、自分のことを「日本一裁判をしない弁護士」だと言っていました。

最初は、なにそれ?と思いました。

弁護士って、裁判で勝つのが仕事なのでは?と…。

でも三谷さんはこう説明してくれました。

「裁判で負けるのは三流、勝つのは二流、裁判をせずに解決するのが一流なんです」

裁判になると、たとえ勝訴して損害賠償を得ることができたとしても、依頼人は訴訟を維持するための費用を負担しなければなりませんし、時間もかかります。依頼人にとっては、精神的にもタフな日々が続くことになります。

本当にクライアントのためを思うなら、裁判に至る前の段階で、クライアントと対立する側の人と交渉を行い、話し合いによって、クライアントに有利な結論を導き出す。これが、真の一流だということのようです。

うん、なるほど、と思いました。

三谷さんは、司法試験を最年少で突破した、秀才です。弁護士になったばかりのころは、裁判に勝つことに執着していたけど、時間が経過するにつれ、クライアントの利益を最優先するなら、できるだけ裁判をしない弁護士になるべきだと思ったそうです。

そんな三谷さんが、最近、初の著作を発表しました。「本当に賢い人の丸くおさめる交渉術」。これがタイトルです。オビには、”頭がいい人はケンカしない”。と書いてあります。

早速、購入して読んでみました。

実際に読んでみると、弁護士の交渉術というよりも、どんな仕事をしてても応用できる交渉のハウツーが満載されている、そんな内容でした。三谷さんは、本の中で、親子や夫婦間の交渉(ふつうなら単なる会話としか認識されないことです)にまで言及しています。

普段は意識していなくても、実は人生は交渉の連続なので、交渉を丸くおさめる術を身につければ、周囲の人が笑顔になり、毎日が楽しくなる。交渉はケンカではなく、当事者皆がハッピーになるための着地点を探す作業であるということのようです。

弁護士が書いた交渉術の本と聞いて、最初はディベートで相手を打ち負かすためのハウツーのようなものが学べるのかしら、と予想していたところがあったので、少し意外な感じがしましたが、読んでみてとてもためになりました。

本の中では、明日からでもすぐに活かせる、交渉のハウツーがたくさん紹介されています。

スピード決着を図る、長期的利益を最優先にする、相手の話はすべて聞く、最初の条件提示は相手から、将来のことだけを話す、などなど…。

普段は弁護士さんのお世話になることがないぼくにとっても、とても為になる内容でしたが、実は、読み進むうちに少し落ち込んでしまいました。

なぜって。

自分がいままで行ってきた交渉のスタイルが、ことごとく本に書いてあることと反対だったと気づき、愕然としたのです。

間を持たそうとして相手の話をしっかり聞かず、しゃべりまくってしまう。自分に自信がなくて、焦ってこちらから条件提示してしまう。しかも、自分を安売りしてしまう。

そんな過去の自分を省みて、 恥ずかしくもなりました。

あーぁ。

と思いましたが、運良くこの本に出会えたので、これからはもう少しましな交渉ができるように頑張りたいと思います。



(写真)三谷淳「本当に賢い人の丸くおさめる交渉術」(すばる舎)

---------
文・桑原和久
(フリーライター、編集者、茅ヶ崎方式渋谷松涛校生徒)

2016年10月 5日 (水)

コミュ力という言葉のほんとうの意味

ここのところ、コミュ力(コミュニケーション能力)という言葉が頻繁に使われているようですね。


この春就活をしていた慶應義塾大学に通う友人は、「企業の面接ではコミュ力が試されているんですよね? 同じ内容の話しをしても、ハキハキ喋ると、それだけでポイントが高いんですよね」と言っていました。この人は面接の準備をしっかりしていたのでしょう、就職を希望していた企業の内定を得ることができたようです…。


でも、昨今のコミュ力という言葉の使われ方に疑問を感じている人もいます。

「コミュニケーションって、本来双方向で成り立つものなのに、“個人のコミュニケーション能力”という言葉の使われ方自体が矛盾しているし、(この言葉の使われ方は)権力的だとも思います。なぜなら、(会社では)若い人のプレゼン能力は問題視されるのに、上司の聴く力が問われることはない」


こう指摘するのは、先日某雑誌の取材でお会いした東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎先生。


確かにその通りです。


多分、コミュ力という言葉は、自分はひょっとしたら時代に取り残されているかもしれない、若い人に相手にされていないのかもしれないと怯えている、一部の中年のためにあるのでしょう。


彼らは、本当は若い人に「ぼくたちにも理解できるように話して下さい」とお願いしたいのだけれども、そうすることはプライドが許さないので、「コミュ力」なんて、ビジネス用語っぽい言い方をしているのです。


だいたい、会社で若手のコミュ力を問題視する上司に限って、全身から話しかけにくーい雰囲気を発散しているものです。




「コミュ力という言葉の使われ方は権力的だ」と語る、東京大学先端科学技術研究所准教授 熊谷晋一郎先生

困ったものですね〜。


しかし、自らの聴く力を顧みることもなく、上から目線で接してくる人ほど、与しやすい相手はいないという専門家もいます。


最後に、サラリーマン研究所 山岡則夫所長から聞いた、社内でとっつきにくい上司に出会った時の対処方、その上司を味方につる編をご紹介することにしましょう。


ステップ1

こちらから積極的にその上司に話しかけ、その人の考え方(仕事の方針や人生観などなんでもいいから)に異議を唱える。

この段階で、その人は、「お、この子、私に真剣に話しかけてくれている。今日はひょっとして特別な日?」と嬉しくなるそうです。


ステップ2

若い人から議論をふっかけられるというめったにない機会を得た上司は、自説を熱く語り出すでしょう。あなたは真剣に話を聞きつつも、できるだけ自分の説を曲げないで食い下がってください。すると上司は「この子は骨がある。しかも、こんな自分と真剣に語り会ってくれていると」と感動するでしょう。


ステップ3

上司が言うべき事を言い尽くした段階で、あなたは「私が勉強不足でした」と言って折れてください。この瞬間、上司は普段めったに感じることができない達成感を覚え、あなたの虜になることでしょう。


それ以降その上司は、あなたを数少ない(本当はほとんどいない)社内における自分の理解者だと思い込み、仕事上、いろいろな便宜を図ってくれる可能性大です。


でも、その上司があなたの虜になりすぎて、事あるごとに話しかけてくる危険性も否めませんので、その点はご注意ください…とのことです。

---------
文・桑原和久
(フリーライター、編集者、茅ヶ崎方式渋谷松涛校生徒)

« 2016年9月 | トップページ | 2016年11月 »